2巡目の第85回国民スポーツ大会が10…
2巡目の第85回国民スポーツ大会が10年後に開かれる。「わかくさ国体」から47年。どこか五輪や万博の再来に似た期待感があり、胸が膨らむ。
中にはあまり記憶がないと冷めた顔の人もいるだろうが、地域を挙げて開かれたスポーツの祭典にワクワク感を抱く理由は時代性にもある。
バブル経済に向かう昭和50年代末。県内では大型イベント「なら・シルクロード博」も直後に控えており、右肩上がりの風潮が天皇杯の獲得、大会成功の喜び沸いた瞬間に重なる。
開催を機に向上したのは競技力だけではない。体育館などの施設が各地に造られ、国体道路とやゆされるようなインフラ整備も目に付いた。
いま改めて振り返ると「わかくさ国体」の遺産は大きい。後に続く選手の成長、スポーツに対する県民の関心など。ただハード・ソフトとも中途半端に終わった施策も少なくない。
きのうの国スポ・障スポ県準備委は前大会を「県勢発展の原動力になった」と評し、次期大会は「子どもたちが夢や希望をつかむ契機に」と位置付けた。時代は移ってもなお胸高鳴る大会を目指したい。(松)