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国原譜

高取町の清水谷遺跡で、5世紀中ごろに造…

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 高取町の清水谷遺跡で、5世紀中ごろに造られた石組みの方形池が見つかった。東西26メートル、南北13メートルと大きく、暗渠(あんきょ)の排水溝もあった。

 

 同じ遺跡で平成13年に見つかった「大壁建物」を取材したが、竪穴住居や掘っ立て柱建物とは明らかに違う構造に驚かされた。

 

 大壁建物は方形に掘った溝の中に柱を何本も立て、土で塗り固めた土壁の建物で、清水谷遺跡では暖房用のオンドルとみられる溝もあった。

 

 大壁建物は渡来人の住居と考えられており、滋賀県などでまとまって見つかっている。周囲から見て明らかに異質の建物だったろう。今回の池も「渡来人が自分たちの文化を見せるために造った」と町教委はみている。

 大きさや構造もさることながら、注目されるのは馬の骨や刀形の木製品が出土していることで、池は祭祀(し)に使われた可能性がある。

 

 周辺には付帯施設が眠っているとも考えられ、今後、周囲を調査する機会があれば新たな発見があるかもしれない。飛鳥に宮が置かれる以前、土壁の建物に住み、水の祭祀を営んだ渡来人の暮らしがまた少し見えてきた。(増)

 

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