自民党の総裁選が、これまでにない注目を集めている。かつてのような派閥の領袖(りょうしゅう)による争いではないからだろう。

　岸田文雄氏以外は、麻生派の河野太郎氏、そして無派閥の高市早苗氏と野田聖子氏だ。派閥を率いる大物が、いずれも出馬しないから低調かというと、そうでもない。

　テレビ各局を渡り歩いて論戦が繰り広げられ、新聞各社のインタビューにも対応している。そのなかで、国をどうしていくかという政策や、人となりが見えてくる。

　当初の世論調査によると、圧倒していた河野氏に対して、岸田、高市の両氏の追い上げが急だという。とくに高市氏のぶれない姿勢が好感をもたれている。

　県選出の代議士だけに、県民の注目度も高く、ネットの世界で、市町村長をはじめ多くの民間人による応援メッセージが日ごとに増えている。

　推古天皇という、初の女性天皇を生んだ奈良だから、初の女性首相誕生もあるかもしれない。候補者同士の論戦を見ていても、一番具体的で歯切れがよいことは誰もが認めている。元気で走り抜けてほしい。(治)