まだ十分暑いのに、9月と聞くと秋の気配を感じる。そんな季節の県の芸術イベント「県みんなでたのしむ大芸術祭(みん芸)」が、開幕する。

　県は4年前の国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭を機に、県大芸術祭と県障害者大芸術祭を一体的に開催。今年からさらに進化し、名称を改め一本化した。

　東京五輪・パラリンピックで示されたように、目標のために鍛錬と研究、工夫を重ね、限界に挑戦するアスリートの姿は、障害のあるなしは関係がない。その観戦を楽しむこともしかり。

　芸術・文化も同様だ。垣根なく心豊かに過ごすことを第一とする芸術祭が育っているのを県民として誇りたい。

　新型感染症禍で4日の開幕行事が無観客となり、一部のイベント中止が決まったのは残念だ。ただオンラインで視聴できるものもあるので、今は可能な限り安全に祭典を堪能したい。

　3カ月間の期間中のプログラム、見どころなどを紹介した小冊子が無料配布されている。これを見ているだけでも頭に多種多様な芸術、芸能の発表の場面が浮かび、心さざめく。お楽しみはこれからだ。　(智)