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国原譜

胸を張っていい。テッペンには届かなかっ…

 胸を張っていい。テッペンには届かなかったものの、準優勝という、甲子園にその名を刻んだ智弁学園ナインに、感動をありがとうと言いたい。

 兄弟校の智弁和歌山との決勝戦は、夢にまでみた智弁対決となった。優勝経験のある和歌山校に、点差は開いたものの、最後まで果敢に戦った。

 センバツで優勝した経験はあるが、夏は4強止まりだった。その壁を破った意味は大きく、次につながると思う。そして今大会が異常事態の中での開催だったことを忘れてはなるまい。

 コロナ禍で2年ぶりの大会は、昨年の先輩たちの無念の思いが詰まっていた。無観客など応援することもかなわないという制限も多かった。

 雨のために順延が続き体調管理も難しく、コロナで出場を辞退する高校もあった。それだけに最後の決勝戦まで、戦うことができたことを感謝してほしい。

 北海道から沖縄まで、全国の球児たちの夢を体験できた喜びを忘れてはなるまい。また奈良の高校野球の新しい歴史がつづられた。コロナで閉塞(へいそく)感が漂うなかで、智弁ナインに勇気をもらった。(治)

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