注目記事2024年春 奈良県職員人事異動 発表!

国原譜

今もレコードの歌声までよく覚えているのは…

 今もレコードの歌声までよく覚えているのは、他の収録曲に比べて異質だったからだろう。子どもの頃に聴いた童謡のレコードに「青い眼の人形」が収録されていた。

 「青い眼をしたお人形は アメリカ生まれのセルロイド」と明るく始まり、すぐ短調に転調、「日本の港へ着いたとき いっぱい涙を浮かべてた」と続く。

 言葉の分からない日本で迷子になったらどうしようと心配したのが涙の理由。「やさしい日本の嬢ちゃんよ 仲良く遊んでやっとくれ」と結ぶ。

 短調のメロディーが何とも物悲しく、同じく野口雨情作詞の「赤い靴」とともに、不思議な異国情緒を子ども心に残した。

 日米の架け橋でありながら、戦中は敵性人形として多くが処分された「青い目の人形」は、この歌が名前の由来とされる。米国から1万3千体近くが贈られ、県内にも処分を免れた4体が現存している。

 帝塚山大学の末吉洋文教授は、ゼミの学生らとそれらの人形を調査、報告書で「平和教育にとって重要な意味と可能性を持っている」と指摘した。歴史の「証言者」として、活用が期待される。(増)

 

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド