お盆が近づいてきた。この時期になると思い出すのが、祖父母らからの「お盆に海で泳ぐと霊に連れて行かれる」との言葉だ。

　同様の話を聞いた昭和世代は多いのでは。お盆の頃からは遠方の台風が原因の土用波や離岸流が発生しやすいなど、海の危険度が増すことへの警句と知ったのは後のことで、幼少時はただ怖かった。

　なのに小学生の時、両親の海辺の里へお盆に行った際、一度だけ海に入ったことがある。だが全身にチクチクと痛がゆさを感じ、早々に浜に上がった。

　弱毒性クラゲの増殖期でもあり、それが原因かもしれない。ともかく以来警告は守っている。

　県内での帰省で、同行の子供たちが川で遊ぶ機会があるかもしれない。川も育った水草などで滑りやすくなる時期とされ、注意が必要だ。

　子供の事故防止を推進するNPO法人「Safe　Kids　Japan」(東京)は、脱げない靴を履く、川に落としたものを拾おうとしないなど、川でおぼれないための約束事を紹介したアニメ動画を同法人ウェブサイトで公開している。先人のためにもお盆は安全に過ごしたい。(智)