金曜時評

仲川市政への注文 - 主筆 甘利 治夫

 コロナ禍の中で行われた奈良市長選で現職の仲川元庸氏が4選を果たした。候補者の乱立に助けられ、現職の強みを発揮した。選挙戦で特徴的だったのは、相手候補が議員経験などのある理論家ぞろいだったことで、現市政批判に厳しかった。その声を参考にして、今後に生かすべきだろう。

 まずは新斎苑の用地買収を巡る住民訴訟で、市長と売主に対する賠償請求を市に命じる高裁判決が出て、最高裁に上告中だが判決の行方によって重大な局面を迎える。

 また財政健全化はいずれの候補者も指摘してきた。同じ中核市の中で、厳しい現状であることを、職員とともに考え立ち向かってもらいたい。そしてコロナ問題は、国を挙げての対応となるが、県内で先頭を走るのが本来だし、市民もそう思っている。その期待に応えねばなるまい。

 そして気になるのが、議会対応と県との関係だ。政党推薦を受けなかったから、そこにしがらみがないことは分かる。しかしながら市長選同様に、議会も市民の意思を反映したものだ。先の新斎苑問題で地元と交わした文書を秘密裏にしてきたことが問われたように、議会軽視と言われないようにすべきだ。

 また県との関係が「うまくいっていない」と指摘する声が大きい。市民本位なら県と連携しながら進める施策も多いはずだ。会合やイベントなどで荒井正吾知事と同席する機会は多くても、じっくり話し合うことは少ないのではないか。毎週とはいわないが、月単位でもいいから、県と定期的な懇談の場をつくったらどうか。市民にとってプラスになるはずだ。

 同時に行われた市議選は、近づく衆院総選挙の前哨戦ともいわれた。推薦を含む政党別当選者は、自民が10人、公明7人、共産6人、維新4人、立憲が1人で、他は無所属だった。自民は現職議長が落選し、第1党をキープしたものの苦戦、公明も全員当選したが得票数を減らし、4人当選の維新より少なかった。共産は新人1人が落選し前回と同じだった。立憲は推薦の1人のみで県都における存在感が小さい。

 それだけに維新は前回の2から倍増し、しかも4人が上位5位以内という躍進ぶりだ。次期衆院選に向けて勢いづくことは間違いない。これから会派構成が決まるが、維新の動向がポイントになる。市長選で対立候補を出したが、反対のための反対と捉えられないように、市民本位の議員活動をお願いしたい。

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