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「秘匿の意図はなかった」というが、中身…

 「秘匿の意図はなかった」というが、中身が中身だけに「はいそうですか」とはいくまい。奈良市の新斎苑を巡る地元自治会との覚書問題だ。

 来年春に完成予定だが、2年ほど前に、「供用開始から60年間を限度とする」とした覚書を交わしておきながら、これまで公表しなかった。

 今の火葬場が、耐用年数などで改築か移転かで、地元との話し合いが難航し、二転三転してきただけに、新斎苑についても、「期限」の問題は最重要課題だった。

 会見で仲川元庸市長も「事業の地元合意を得るのに、覚書は重要な要素」としており、ここまで建設が進められてきたのも、この覚書があったればこそだ。

 昨年の予算、今年の予算と、説明する機会もあったし、広報誌に掲載してもよかった。担当課が「法的拘束力はない」としているが、司法関係者によれば「拘束力がある」と断言している。

 広陵町の清掃工場で、使用停止命令が出された例もある。覚書のことを隠して議会で予算を通したことになる。公の施設の期限を決めたことを、市民に内緒にしてきたことは問われねばなるまい。(治)

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