あまり聞かれなくなった言葉が、のみニケーション。飲み会でコミュニケーションを図る造語だが、会社内の飲み会を毛嫌いする社員が多くなった。コロナ禍の宴会自粛も影響し、近頃は死語ならぬ休語になりつつある。

　「宴会、会食の誘いを断ったことがない」という筆者の同級生は、社長にまで出世した。人付き合いの良さは、人脈を広げるとともに自らの人間性を磨くことができる。

　ただ、この場合はどうか。菅首相の長男が勤める放送事業会社による接待問題で、総務省が利害関係者からの違法接待と認め、総務審議官ら11人を減給などの処分にした。

　検証委員会を設置し、放送行政がゆがめられた事実の有無などを調査する方針。首相の「威光」や、関係者に「忖度(そんたく)」があったかどうかが問題となるだろう。

　かつては公務員と記者との懇親会も頻繁にあった。親交を深めるとともに、記者会見でしゃべれないことや本音を引き出す「下心」もあった。

　社会生活を営む以上、コミュニケーションのための会食は必要。しかし「明朗会計」が最低条件となるだろう。(栄)