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国原譜

十数年前に制作された英国のテレビ番組を見…

十数年前に制作された英国のテレビ番組を見て、米国人をからかう毒気に驚かされた。米国の保守層の多い共和党支持基盤の地域を、自動車に刺激的なペイントをして通過する。

 対立する民主党の政治家や同性愛を賛美したりする内容。「銃で撃たれるかもしれない」と、出演者は前もって冗談を言うのだが、給油したガソリンスタンドで本当に暴徒集団に包囲され、ほうほうの体で逃げ去った。

 もちろん、演出もあるだろうが、公共放送のBBC制作なので過度ではないはず。皮肉な英国人は米国人の直情径行ぶりをネタにしたのだろう。が、筆者は米国の一部分を垣間見た気がした。

 落選したトランプ大統領の支持者が米国会を襲撃した事件があった。日本では「民主主義の国なのに」と嘆いた人も多かったが、米国ではあり得る話なのだ。

 米国でさらに深刻化している国民の分断だが、コロナ禍の日本でも分断は進んでいる。感染者や飲食業を差別する人々。職を失った層と、世界的な金融緩和でもうかる富裕層。

 「和を以って貴しとなす」。今こそ聖徳太子の遺訓をかみしめたい。(栄)

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