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国原譜

移動制限が厳しかった江戸時代の庶民にとって…

 移動制限が厳しかった江戸時代の庶民にとって、一生に一度の楽しみといえば伊勢参り。江戸から往復1カ月ほどかかったといい、費用も相当なものだったようだ。

 磯田道史さん監修の「江戸の家計簿」(宝島社)によれば、讃岐国からの一行20人が旅を斡旋してくれた布教者に支払った金額は礼金も含めて40両2分。現代感覚なら1200万円に上るといい、さらに旅費が加わった。

 伊勢参りの一行も見ただろう東海道の風景は、江戸末期の浮世絵師、歌川広重の「東海道五十三次」に描かれている。広重が体験した東海道中に基づくとされ、宿場町で旅籠(はたご)の客引きに難儀する旅人の姿もある。

 広重の代表作、「名所江戸百景」「東海道五十三次」を合わせて楽しめる県立美術館の企画展「広重の名所江戸百景」が16日に開幕する。

 コロナ禍の拡大を受け、緊急事態宣言の対象地域に大阪や京都を含む7府県が追加された。旅は自粛のときである。

 そんな今、自由な旅がままならなかった江戸時代への旅を、広重の作品で楽しむのも悪くない。感染防止の旅支度は万全に。(増)

 

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