新型コロナウイルス感染拡大で大胆な外出を控える時期は、せめて躍動するアスリートでも見ようとテレビのスポーツ観戦が増える。先週末は県勢の活躍もあった。

　ラグビーの全国大学選手権では、天理が準々決勝で流通経済を大差で下して4強入り。自在な攻撃は見ていて楽しく、明治に借りを返しての初の頂点に期待が高まる。

　全国高校駅伝の男子では智弁カレッジが10位の大躍進。各中継点で上位でタスキが渡り、最後まで入賞に届きそうな県記録更新の激走にわくわくした。

　新型コロナのためスポーツ界もさまざまな制約を強いられた今年。両者の姿には力をもらえただけでなく、制約下でいかに充実した時間を過ごすかを再考させられた。

　失敗から学ぶとはよく口にされるが、思い通りにならない時に思考の柔軟性も含め、どう処するかも同様。のちのちの実りに大きくかかわってくる。

　人生浮いたり沈んだり。劣勢の時に何を考えて動くかが重要なのはスポーツに限らない。現況を嘆き、不満をもらすだけでなく前向きに立ち回れたか、自身を振り返る年の暮れでもある。(智)