国原譜

 今月は2基の古墳の発掘成果が発表された。一つは奈良市のウワナベ古墳、もう一つが明日香村の中尾山古墳だ。間には300年近い時期差があると考えられている。

 ウワナベ古墳が前方後円墳であるのに対して中尾山古墳は八角形。墳丘の大きさは約280メートルと約20メートルと比較にならない。ただ、政権トップかそれに近い人物を葬ったとみられることは共通する。

 今回の調査で中尾山古墳の主は文武天皇であることがほぼ確実となった。大宝律令が完成したのは文武天皇の治世で、続日本紀は「文物の儀、ここに備われり」と宣言した。火葬の導入もあり、巨大な墳丘や石室はもはや必要なかった。

 墳丘の大きさで権力を誇示した時代と律令制度が整った時代。両古墳はその違いを明確に表している。

 ウワナベ古墳が最盛期の古墳であるとするなら、中尾山古墳はその最終形といえ、形や大きさの変遷と権力構造の変化を考える良い機会となった。

 いずれの古墳が築かれた時代もそこに政治の中枢があった。奈良の地に流れる歴史の深さを改めて思う調査成果だった。(増)

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