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国原譜

お坊さんは普段、どんな生活や仕事をして…

 お坊さんは普段、どんな生活や仕事をしているのだろう。興福寺の僧侶、辻明俊さんの著書「興福寺の365日」は、南都のお寺の日常を垣間見せてくれる。

 他宗派の寺に生まれた辻さんは学生時代のアルバイトをきっかけに20年前、興福寺に入山。9年前には一人前の僧侶になるための修行「竪義(りゅうぎ)」も無事に終えた。

 著書では週に1度の宿直勤務や食堂名物のカレーをはじめ、なにげない寺の日常も紹介。鳴るはずがない黒電話が突然鳴り出すなど、怪談じみた不思議な話も。

 なかでも興味深いのは修行の話。入山直後、十分な食事も睡眠も取れない厳しい行に臨んだときには「何のため、誰のため」と迷ったという。

 しかし、修行中、生者だけなく死者も仏に会いに寺へ来ることを感じ、自らの役割を自覚した。僧とは仏への無量の祈りを橋渡しする者だと。

 師匠の多川俊映師からは「裁判官・医者・僧侶が身にまとう衣には、人を裁き、命を救い、心に寄り添う資格がある」と教えられたという。特別な衣をまとう者には特別な覚悟が必要だ。(法)

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