平成の大合併で、当時の新庄町と当麻町の2町だけで葛城市が誕生して、もう16年になる。生まれた赤ちゃんが高校生になっている。

　周辺の大和高田市などの市町との合併はならなかったことを残念にも思った。「葛城」の名称は歴史的に由緒があり、全国に通用する市名でもある。

　それだけに古代の葛城地域全体でまとまったらと期待もした。その葛城市は、合併当初は旧町意識がむき出しになっていた。ようやく市民も前向きになってきた。

　高校生以下の子供たちは、生まれた時から葛城市民だ。その子供たちが、生まれ故郷を愛し誇れる街にすることは大人の役目だ。そのトップを決める市長選がきょう告示される。

　ここ数年、マイナスの話題で新聞紙面をにぎわせてきた。少子化の時代に、わずかながら人口増加を続けている。住み続けて良かったといえるのはこれからだ。

　現職に対して、2人の議長経験のある新人が挑むという。現職も元市議だ。コロナ禍という世界史的な転換点で、市民に実現可能な夢と希望を示してほしい。市民の厳正な審判を期待する。(治)