特集奈良の鹿ニュース

国原譜

見た目はススキに似ているが湿地に群生す…

 見た目はススキに似ているが湿地に群生するのがオギ。これからの季節、奈良市の平城宮跡では野原いっぱい白銀の穂が風に輝く姿が楽しめる。

 1300年前の栄華を伝える歴史公園。都市化が進む平地の真ん中に広い空間と豊かな自然を残す宮跡も、今や変化のときを迎えつつある。

 一つは建物の復元。平成10年の朱雀門、22年の大極殿正殿に続いて現在は同南門の建設が進む。また昨年は国交省の社会実験で自動運転車が園内路を走るなど、新しい取り組みも。

 明治以来の保存運動、学術的な調査研究を踏まえ平成20年度に国営公園として事業化。整備は次の段階へと大きく踏み出したように見える。

 特に注目を集めるのが宮域外への展開。朱雀門の南側には学習や観光の拠点が造られ、大宮通り南側への拡大も計画。さらに史跡を走る近鉄奈良線の移設案も現実味を帯び始めた。

 地元住民からは何もないから良いのだという声も聞かれる。だから整備促進には賛否両論が絶えないが、波打つオギ原の向こうに過去から未来へ、宮跡から京跡へ広がる次代の奈良の顔も見てみたい。(松)

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