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国原譜

江戸時代の下手人は殺人犯か過失致死を指…

 江戸時代の下手人は殺人犯か過失致死を指すという。捕り物劇で「すりの下手人は誰だ」などと言うのは間違い、「すりはどいつだ」が正しいと、大森洋平さんの「考証要集」(文藝春秋)にあった。

 「檄(げき)を飛ばす」は激励ではなく遠くの同志に決起を促すこと。コメントやせりふでは「ゆめゆめ間違えてはならない」と戒めている。

 では、「敷居が高い」はどうだろう。昨年度文化庁が行った国語に関する世論調査では、「相手に不義理をして行きにくい」と本来の意味を正しく答えた人は29%にとどまった。

 「敷居の高い店」などと日常的に使っているが、多くの場合、高級すぎて入りにくいという意味だろう。

 時代考証とは少し違うが、本来の意味が当たり前だった世代には、「おかしな言葉遣いをするやつ」とあきれられるかもしれない。70歳以上では、不義理―を選んだ人が多かった。

 時代考証について大森さんは、釘(くぎ)の打ち込み方がいい加減では決して名作は生まれない、という。日本語の使い方がいい加減では―。国語世論調査に考えさせられた。(増)

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