国原譜

 自分では努力せず、人の力で望みをかなえようとする、そんな虫のよい考えの例えに使われる他力本願だが、本来の意味はかなり違う。

 他力とは他人の力ではなく仏の力、本願はどんな人も必ず救いたいという阿弥陀如来の願いを指す。その力を信じ、心穏やかに精一杯生きよと浄土真宗は説く。

 こちらの本願はどうなのだろう。菅義偉首相は目指す国家像を「自助、共助、公助」と表現した。できることはまず自分で、それでだめなら家族や地域が支え、最後は国が守るという。

 最後は助けるからできる所までやってみなさい。親や経営者が言うなら分かるが、一国の首相となると首をかしげる。自助は「生きる」と同義といえ、国家像の頭に据えるなどおこがましい。

 首相の言葉は、自分でできた者、力が足りなくて地域や国の厄介になる者という分断を生まないだろうか。まして今はコロナ禍である。そのような言葉が出ること自体、国民生活との乖離(かいり)を感じる。

 俗な意味で脱他力本願の国家像と言えそうだが、最後に飛び込む公助が不良品では国民は救われない。(増)

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