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国原譜

江戸の人口は100万人ほどだったといわ…

 江戸の人口は100万人ほどだったといわれる。江戸中期のロンドンで約70万人、江戸は世界屈指の大都市だった。

 消費される食材も膨大で、良質の漁場だった近海のほか、遠方からも「押し送り船」と呼ばれる高速船で大量の魚が運ばれた。

 「いわしより 外を食うと穴が開き」は江戸の川柳。安価なイワシ以外では家の財布がもちません。イワシはよほど庶民食だったのか、「隣の子 おらが家でもいわしだよ」というのもある。長屋に漂う煙が目に浮かぶ。

 8月に始まったサンマ漁の漁獲量が過去最低という。同じく過去最低だった前年同月の18%というから深刻だ。当然ながら価格も高く、「サンマを食うと穴が開き」となりかねない。

 江戸でサンマは好まれず、灯明の油などにされたようだが、反対に家財を質に入れても買い求めたのが初ガツオ。女房殿の恨み節が「寒い時 おまえかつおが着られるか」と川柳にある。

 布団代わりにはならないが、焼きたてのサンマで一杯やれば、腹は随分ぬくもりそうだ。季語にもなった秋の味覚、一度くらいは味わいたい。(増)

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