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国原譜

撮影する「撮り鉄」、乗車する「乗り鉄」…

 撮影する「撮り鉄」、乗車する「乗り鉄」と称されるような鉄道ファンではないが、近鉄特急「通称・新スナックカー」来年3月引退の本紙記事は感慨深かった。

 同車両は、昭和45年の大阪万博に合わせて、44年から同51年まで製造されたから、筆者の思春期と重なる。県内では、特急イコール近鉄特急であった。

 リクライニングシートなどの快適設備はもちろん、お姉さんによるおしぼりサービスが、非日常感を演出してくれた。電車に乗っただけでわくわく気分が高まった。

 ところが、通称の由来となるスナックで飲食した記憶がない。予算の都合があって、駅の売店で買ったおにぎり、ゆで卵を座席でほおばっていた。

 たまに近鉄特急に乗るのは、伊勢志摩観光などレジャーがほとんどだったから、楽しい思い出ばかりだ。ビジネス利用の人だともっと複雑かもしれない。

 最新車両は、より設備がいいだろう。しかし、鉄道旅の醍醐味(だいごみ)は、今も昔も変わらない。多感な少年が、車窓からの眺めをさかなに缶ビールを飲むのが至福のひと時であるオヤジになっても。(栄)

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