NHK大河ドラマ「麒麟がくる」は、7日放送分でひと休みに入った。同日は「桶狭間の戦い」がメインで、織田信長が少数の兵で雨の中強襲し、今川義元の大軍を打ち破る、戦史に名高いシーンが展開された。

　これまでの放送を振り返ると、京都が舞台の時の、三好長慶の重臣・松永久秀のことが気になった。演者(吉田鋼太郎)の存在感あふれるキャラクターもあろうが、奈良ゆかりということで注目して見ていた。

　桶狭間の前年、久秀は大和に攻め込み、筒井順慶と戦い筒井城を攻略。大和守護の座にあった興福寺の所領も奪い、大和の統一に邁進する。今後、奈良市の多聞山城や平群町の信貴山城の話が出てくるかどうかも興味がわく。

　「歴史街道」7月号(PHP研究所)の特集「足利義輝と松永久秀」では、「下剋上の時代」や、大仏殿炎上に関わり大悪人とされた久秀の実像に迫っている。

　コロナの状況次第だが、信貴山城跡を訪ねる企画なども楽しみだ。王寺町の達磨寺の境内には、久秀の墓とされる石塔も残る。

　身近な所の観光振興から、今の閉塞感を打ち破りたい。(恵)