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国原譜

河合町の国史跡大塚山古墳の墳丘から円筒…

 河合町の国史跡大塚山古墳の墳丘から円筒埴輪(はにわ)2本が盗まれ、後日、1本分の破片を接合して復元し戻される事件があった。県警は文化財保護法違反の疑いで調べている。

 同古墳は5世紀後半に築造された県内最大級の前方後円墳。町教育委員会の担当者によると元の位置を保った埴輪列は確認されていなかった。

 “新発見”ともいえるが、埋蔵文化財は発掘時の記録がないと学術的価値が落ちる。やはり今回の件は遺跡の破壊以外の何ものでもない。

 埴輪列の位置を推測して土の中から掘り出し、接着剤でほぼ正しい形に接合していた。まさか研究者ではないだろうが、ある程度の考古学の知識を持つ人の行為だと思われる。

 百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録もあり、近年、古墳ファンは増加。大塚山古墳は墳丘に自由に登れる数少ない大型前方後円墳だが、こうした事件があると各地の古墳で立ち入り規制が強化されるだろう。

 古墳や埋蔵文化財に対する知的好奇心は理解できるが、ルールを守ることは必要。埴輪を持ち出した人も悔い改めて古墳に戻したと信じたい。(法)

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