買い物に何を求めるか。ほしいものが安く手に入れば満足できる人がいる一方、店員との会話、店の雰囲気を楽しみたい人もいることだろう。

　新型コロナウイルス感染拡大を機に、インターネット通販利用者が増えたことが三井住友カードの調べで分かった。特に60～70代の高齢者の利用が急増したようだ。

　感染で重症化の傾向があった高齢者が、感染リスク低減が見込める通販へ流れるのは当然かもしれない。案外手軽だと感じた人々を中心に利用が定着、加速する可能性はある。

　ネット通販拡大での懸念は、地元商店利用の一層の減退。家電や衣料品、書籍などを筆頭に価格や品ぞろえ、入手速度といった点ではネット市場がたけている。

　県内でも業界を挙げて課題に取り組む姿を見聞きする。だが今後は、今以上に利便性の高いサービス、システムなどで、より消費者の購買心に響く工夫も求められそうだ。

　あす6月1日から県の休業要請が全面解除になる。小売店への人の出入りもしだいに増えるだろうが、新しい生活様式の世が人肌の関係がさらに希薄になるなら寂しくもある。(智)