特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

昭和の時代である。県内の某記者クラブの…

昭和の時代である。県内の某記者クラブの記者会見室にはマージャンのセットがあり、会見のない昼間、記者らが興じていたという。

 先輩記者によると、遊んでいるようして他社の記者に油断させる意味もあったらしい。クラブのソファで寝てばかりの記者も要注意だった。

 役所が終わる午後5時からが、本当の仕事だ。幹部とスナックに飲みに行く。マージャンをする。取材相手の懐に飛び込んで懇意になり、記事のネタを提供してもらうのが狙いだ。

 このようにして、どれだけ多くの「ネタ元」を持っているかが記者の力量だった。「記者会見で出てきたネタは各社共通。それでは特ダネは取れない」と教わった。

 といっても、取材対象と仲良くなり過ぎてもいけない。情が移って不祥事など書けなくなる。時として非情となるのも必要。でないと、癒着になる。

 東京高検の黒川弘務検事長(辞職)と、大手新聞記者らの賭けマージャン。「ネタ取り」の意図もあったと思われるが、新型コロナウイルス緊急事態宣言中であり、今の時代では容認できない。昭和は遠くなりにけり。(栄)

 

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