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国原譜

日本は昭和55年のモスクワ五輪をボイコッ…

 日本は昭和55年のモスクワ五輪をボイコットした。旧ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議した米国主導の動きに追随したものだが、スポーツへの政治介入として禍根を残した。

 そもそも五輪への選手派遣は、各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)が決めるもの。実際、英国などは政府のボイコット勧告にNOCが従わず参加した。

 日本オリンピック委員会(JOC)でも自主派遣の道を探った。しかし、選手の強化費などの多くを国費に頼り、政治の圧力に逆らえなかった。

 わが国に限らず五輪やスポーツは、国威発揚の場として政治利用されてきた歴史がある。近年もスポーツの国策化がさらに進み、五輪の商業利用も強まっている。

 3月の東京五輪の延期を決める過程でも、選手の声を代弁するはずの山下泰裕JOC会長の存在は薄かった。「選手ファースト」は上辺だけの言葉だといえる。

 モスクワ五輪不参加が正式に決まったJOCの臨時総会から24日でちょうど40年を迎えた。スポーツと政治との関係がどうあるべきなのか。節目の年に、もう一度考えたい。(法)

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