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国原譜

「はんかいやっこう」という聞き慣れない…

 「はんかいやっこう」という聞き慣れない言葉を「阪堺役講」と教えてくれたのは、昨年6月に他界した県立橿原考古学研究所の前所長、菅谷文則氏だった。

 役講は文字通り大阪と堺の修験者の集まりで、岩組や京橋組など八つある。毎年5月に営まれる大峯山寺の戸開け式では、本堂の鍵開けを任されてきた。

 同寺の絵馬堂には役講の奉納絵馬がいくつも飾られているほか、山中にも組の名前を刻んだ石碑が多数あり、役講が同寺の護持に果たした役割の大きさが分かる。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で今年は役講抜きの戸開け式となり、地元の信徒総代が代役を務めた。同寺は5月末まで登拝自体の自粛を呼び掛けている。

 大峯山寺がある山上ケ岳の登拝は講単位が多く、山頂周辺の宿坊はもちろん、ベースとなる洞川の行者宿はどうしても密となる。登拝自粛が解かれれば、分散型の登拝も考えられる。

 9月の戸閉め式まで4カ月。異例の入峯期間は始まったばかりだ。少しでも早い収束を蔵王権現に祈りつつ、修験者の祈りの声やほら貝が、大峰の山に響く日を待ちたい。(増)

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