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国原譜

天才といえども、全作品が傑作ではない。…

 天才といえども、全作品が傑作ではない。と、新しい発見があった。外出自粛の中、家でモーツァルト全集(CD170枚)を聴いている。

 初期のピアノ独奏曲には、稚拙なのもある。やはり彼も人間だった。しかし、ピアノ協奏曲やオペラは、ほとんどが「神品」といってよい。

 このように全作品を聴き通しているのも、コロナウイルス感染予防の巣ごもりで時間に余裕ができたからだ。この廉価版全集も、1年以上前に購入したままだった。

 国文学者で作家の林望氏は、ある程度年を取らないと文学のだいご味は分からないとエッセーに書いている。ところが、日本社会は、うまくいかない。

 文学青年、文学少女であっても、社会人になれば日々の仕事、生活に追わてしまう。人生経験を積んで深い味わいが分かる頃になって、文学から遠ざかってしまう。20歳過ぎれば、ただの人に。

 長期入院して、読書に没頭したおかげで、人生の指針となる本に巡り合えた話もある。自粛在宅でストレスをためている人に、音楽や文学など古典名作に親しむことを薦めたい。禍を転じて福となそう。(栄)

 

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