過日、日本銀行の県金融経済懇談会が開かれた。日銀関係者が関西経済の緩やかな拡大を示す一方で、県内経済関係者らは新型コロナウイルスの県経済への影響に懸念を口にした。

　新型ウイルスの中国を中心とした感染拡大が止まらない。中国の状況が日本経済に影を落とし始めたことが数字にも表れるようになった。

　県経済界も訪日客はもとより、多様な形で中国とつながる。今後の展開が見通せない中、たとえ終息へと向かっても流行前の状態に戻るには長期化は避けられそうもない。

　中小、小規模事業者の多い県内事情からすれば大企業の動きが副次的に影響することも十分考えられる。業界ごとに事情は異なれど、関係機関、組織の支援策活用も視野に入れておくべきだろう。

　今回の状況は自然災害同様、先を見越した事業者の危機対応力が問われている。同時に関係組織には、地域の将来に関わる事案として積極的な支援策が望まれる。

　年頭には予想できなかった事態。だが年末には「あの時はしんどかったな」と穏やかに振り返れるよう、互いの協力と行動力で乗り切りたい。(智)