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国原譜

大きな厄災が起こった際、しばしば次に生…

 大きな厄災が起こった際、しばしば次に生かすべき何かを学ぶ。新型コロナウイルスによる肺炎も同様だろう。

 現況で気になる一つは情報の開示だ。感染判明直近の感染者の行動に関しても、一部を除き国など情報を把握する組織は公表にまだ消極的。風評被害や過剰反応回避などを理由としている。

 だが詳細まではなくとも、市民が適切に感染予防の措置を講じ、体調変異時に対応をするには、可能な限りの正確な情報提供が不可欠では。いずれも感染拡大を防ぐためだ。

 一定の情報開示には、にせ情報に惑わされず、不必要な不安、疑念を抑える効果もある。実際、県在住のバス運転手男性の感染が発表された直後から、ウェブ上ではさまざまな情報が現れた。中には不確かなものも。

 もちろん正確な情報を発信しても善意、悪意にかかわらず誤情報は流れるだろう。しかし正誤を見極める判断力は高まるはずだ。

 情報抑制の裏には、情報社会で暮らす市民の能力、善心を軽く見る姿勢も垣間見える。ただ感染の拡散防止、終息には市民の理解、協力が必要なのは言うまでもない。(智)

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