特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

昔、大和の国の当麻に当麻蹴速(けはや)…

 昔、大和の国の当麻に当麻蹴速(けはや)という力自慢がいた。「蹴速と互角に戦える者はいないのか」との天皇の求めに応じた出雲の国の勇士・野見宿禰(のみのすくね)と対戦した。

 両者、足を上げて蹴りあい、最後は蹴速が骨を折られて敗れた。日本書紀垂仁天皇7年7月7日の記述で相撲の発祥とされる。

 明治末から大正に活躍した力士・鶴ケ濱は蹴速と同じ旧当麻町(現葛城市)出身。大相撲初場所で徳勝龍が優勝するまで唯一の県出身優勝力士だった。

 右四つからの吊り寄りが得意だった鶴ケ濱の優勝は大正11年の1月場所。大関を撃破し1敗での平幕優勝と、今回の徳勝龍の快挙と重なる部分も多い。その後、小結にまで昇進し大関も期待されたが、足のけがで優勝から4年後に引退した。

 初の天覧相撲に敗れた蹴速、大関の夢半ばで破れた鶴ケ濱。徳勝龍には奈良の先人たちの無念を晴らすべく、さらに上を目指してほしい▽蹴速の顕彰を目的とした葛城市の相撲館「けはや座」では、徳勝龍の優勝記念展を企画。鶴ケ濱の化粧まわしなどの展示を予定している。(法)

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