特集奈良の鹿ニュース

国原譜

日本書紀は古事記の成立から8年後の養老…

 日本書紀は古事記の成立から8年後の養老4(720)年に完成。日本で初めての公式な歴史書で、今年完成1300年を迎える。

 ただ、実際に読んだことがある人は少ないのではないか。筆者も口語訳ですら最後まで読んだことがない。理由は簡単だ。面白くないから。

 物語調の古事記に対し、日本書紀は出来事を年代順に記した硬い文体。有名な「因幡のシロウサギ」の物語もなく、神話の部分もわずかだ。そもそも長さも古事記の10倍もある。

 しかし、その歴史的な意味は大きい。国家には正史が必要不可欠であり、日本書紀完成をもって日本という国が成立したと言っても過言ではないだろう。

 日本書紀は国外に向けて日本をアピールするために記された。硬い文体も「一書に曰く」で始まる脚注を多用し客観性を重視した文章も、「中国に追いつけ追い越せ」との当時の人々の情熱を感じさせる。

 残念ながら、今は節目の年も盛り上がりに欠ける。しかし、15日には東京国立博物館で1300年記念特別展「出雲と大和」も始まり、今後は注目度が高まっていくだろう。(法)

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド