予想を超えた今年のヒットの筆頭はラグビー。ワールドカップ直前まで何かにつけ盛り上がりに欠けると、愛情を込めて嫌味を言っていたのが申し訳ない。

　選手の活躍と自信がいい形で波及するのか。言葉足らずで分かりにくかった元選手や監督らのテレビ解説もずいぶんこなれ、的確になってきた。

　今回のラグビー人気の第一の要因は、ベスト8の成績を残した日本チームの強さだ。勝つことが全てではないが、ひいきの選手やチームの勝利には気持ちが高まる。

　県民にもラグビーで高揚感を味わえる時期が訪れた。全国大学選手権では天理が4強入り。攻撃の強さと鋭さは健在で、昨季決勝で敗れた雪辱と初優勝を新しい国立競技場で果たしてもらいたい。

　高校の全国大会も昨日開幕。県代表の御所実は突破力、展開力に秀でた優勝候補の一角で、30日に登場する。こちらも念願の初優勝を年またぎで成し遂げてほしい。

　全国の頂点を狙えるチームがいながら、県内のラグビー熱にはもの足りなさもある。両校の強さが県民の熱情をさらに高めてくれることに期待しつつ応援したい。(智)