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国原譜

一期一会とは茶会は毎回、一生に一度と考…

 一期一会とは茶会は毎回、一生に一度と考え、客に尽くすべしとの茶道の心得。転じて、出会いの大切さを説く言葉となっている。今日という日は再びなく、会った人と再び会えるとは限らない。

 今年、取材でお世話になった人が2人亡くなった。いずれも誤解を解きたいことや果たしたい約束があったが、今はもうかなわない。

 一人は前橿原考古学研究所長の菅谷文則さん。昨年、筆者の記事で菅谷さんが心を痛めていると人づてに聞いた。他紙にも載った記事だが、その理由を本人に確認したかった。

 もう一人は法隆寺住職の大野玄妙師。昨年末に正月の法要・修正会の取材を約束したが、直前に不覚にもインフルエンザにかかってしまった。今年が師の最後の修正会になり、二度と約束を果たせなくなった。

 振り返ると、これまで多くの人たちに対して不義理をしてきたと思う。今日も、久しぶりに会う旧友たちとの約束を仕事で果たせそうにない。

 一期一会。使い古された言葉だが人生の後半を迎え、その重みを感じる。来年は人との関係での心残りをなくしたい。(法)

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