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国原譜

正殿などが焼失した沖縄・首里城の火災。…

 正殿などが焼失した沖縄・首里城の火災。一報を聞いたときは「築30年ほどの復元建物か」と思ってしまったが、今は己の不明を恥じている。

 城跡は世界遺産であり国の史跡だが、建物には文化財指定はない。しかし、日本と中国が融合した沖縄固有文化の象徴であり、戦災で焼失後に多大な努力で復元された、人々の心の支えと言うべき建物だった。

 早くも募金活動などの再建に向けた動きが始まっているが、その道のりは厳しいだろう。最も大きなハードルは木材の確保だ。

 巨大な建物を支える柱となる巨木の調達は国内のみならず台湾などでも困難。昨年、再建された興福寺中金堂ではアフリカ産木材が使われたが、今ではそれも難しいという。

 一方で前回の再建時と比べ有利な材料もある。30年間におよぶ復元事業で培われた研究や技術、経験の蓄積だ。

 その間には中金堂や平城宮朱雀門・第1次大極殿をはじめ多くの文化財建造物の復元も行われた。数多くの事業で得られた英知も生かし、美しい朱で彩られた御城(ウグシク)が少しでも早く蘇ることを願いたい。(法)

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