国原譜
今から65年前、奈良公園で頭の真ん中に…
今から65年前、奈良公園で頭の真ん中に白い毛を持つ子鹿が生まれた。まるで白い冠を被ったような子鹿は「白ちゃん」と名付けられ、人々から愛された。
しかし、その愛らしい姿ゆえに観光客に追い回され、他の鹿からはいじめられた。そのためか、白ちゃんが初めて子どもを生んだのは9歳のときだった。
やっと授かった最愛の子鹿もわずか2週間で車にひかれて亡くす。それから白ちゃんは人間不信になり、人や車に対して攻撃的になった。そして昭和47年7月、自身も交通事故で命を落とす。
白ちゃんの母親もビニールのごみを食べたことが原因で亡くなっている。最も愛された奈良公園の鹿の物語には、今も続く人と鹿のさまざまな問題が暗い影を落としている。
人と鹿が当たり前のように共生する奈良は世界でも貴重な場所だ。それゆえに奈良公園の鹿は奈良の宝の一つといえる。
先日、白ちゃんを題材とした絵本「白ちゃん」(京阪奈情報教育出版)の朗読を聴く機会があった。その悲しい物語に触れ、改めて奈良公園の鹿たちとの関わり方について考えさせられた。(法)
しかし、その愛らしい姿ゆえに観光客に追い回され、他の鹿からはいじめられた。そのためか、白ちゃんが初めて子どもを生んだのは9歳のときだった。
やっと授かった最愛の子鹿もわずか2週間で車にひかれて亡くす。それから白ちゃんは人間不信になり、人や車に対して攻撃的になった。そして昭和47年7月、自身も交通事故で命を落とす。
白ちゃんの母親もビニールのごみを食べたことが原因で亡くなっている。最も愛された奈良公園の鹿の物語には、今も続く人と鹿のさまざまな問題が暗い影を落としている。
人と鹿が当たり前のように共生する奈良は世界でも貴重な場所だ。それゆえに奈良公園の鹿は奈良の宝の一つといえる。
先日、白ちゃんを題材とした絵本「白ちゃん」(京阪奈情報教育出版)の朗読を聴く機会があった。その悲しい物語に触れ、改めて奈良公園の鹿たちとの関わり方について考えさせられた。(法)