思いがけず、東大阪市花園ラグビー場でのラグビーワールドカップの観戦チケットを手にした。何度も訪れた場所だが、試合前の高揚感は明らかに違った。

　当日の対戦国のみならず自国の代表ジャージ姿の観客も多く、国際性豊か。異なる国のファンが互いのチームの健闘を願いつつ、一緒に写真に収まる姿にも気持ちがなごんだ。

　活動的なボランティアの存在も心に留まった。来場者を満面の笑みで出迎え、外国語も使って丁寧に案内したり、会場内外での記念撮影を手助けしたり。

　県の冬の風物詩の奈良マラソンでも、ボランティアがさまざまにランナーや観衆をサポートする。時を経ても好もしく残る記憶の何割かは、彼らの献身的な行動によるものだ。

　場内の飲食物販売の不便さの改善に食べ物の持ち込みを認めるなど、会期中でも課題に素早く柔軟に対応する大会組織委の姿勢も評価されている。快適な空間づくりは関係者の熱意の総和だと感じる。

　来年は東京五輪・パラリンピック。今大会の成果と課題が組織の枠を超えて生かされることをラグビーファンとして願っている。(智)