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国原譜

明日香村の飛鳥京跡苑池で見つかった石敷…

 明日香村の飛鳥京跡苑池で見つかった石敷きの流水施設。地中から湧き出た水を受ける石組みの升が注目されている。酒船石遺跡の導水施設では亀形石像物に当たる部分だ。

 本日付の連載「飛鳥京跡苑池」にあるように、升はわずかながら中央部がへこんでいる。人が入って石が沈んだのか、湧水部から木樋(ひ)などで水を受けてすり減ったのか。

 亀形石像物が出土した当時、そこに入った巫女(みこ)が水で身を清める映像も作られた。今回の升も同じように使われたのだろうか。

 升は浅いが中で座ると衣服がぬれるのは避けられない。だとすれば、そのまま苑池の中心部へと進むのではなく、そこだけで完結する水祭祀(し)の場であったのかもしれない。

 京都の葵祭では、斎王代に選ばれた女性が下鴨神社の御手洗川に手を浸して身を清める。飛鳥京跡苑池でも…と想像を膨らませるのも楽しい。

 現状の流水施設は開かれた空間だが、周囲と遮る施設はなかったのだろうか。飛鳥時代に流水施設を訪れた人々の姿が描けるような、遺物の発見にも期待したい。(増)

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