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国原譜

賀名生(あのう)皇居跡として知られる五…

 賀名生(あのう)皇居跡として知られる五條市の堀家住宅に伝わった日の丸が、科学分析で室町時代以降のものと判明した。

 言い伝えられてきた後醍醐天皇の下賜(かし)とは少なくとも130年ほどずれることになるが、どのような経緯で堀家に伝わったのか、所有者の堀丈太さんが言うように、「新たな謎」が加わった。

 この日の丸には平成15年に一度盗難に遭った過去がある。近畿2府4県と三重県の社寺や旧家を狙った大規模な窃盗事件で、堀家からも古美術品など約50点が盗まれた。

 2年後の犯人逮捕で日の丸は無事戻り、今は地元の歴史民俗資料館で保管されている。堀家の人々にとって無事を祈り続けた歳月だったろう。

 賀名生の地はかつて穴生(あなふ)と呼ばれたが、南朝の後村上天皇が将来への夢を託して叶名生(かなふ)と名付け、さらに賀名生になったという。

 盗難被害に遭いながらも奇跡的に戻った日の丸には、賀名生の地と切ってはならない縁があるのだろう。来歴の謎も、知りたいと願えば、ある日古文書などで明らかになる日があるかもしれない。(増)

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