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国原譜

飛鳥京跡苑池で見つかった流水施設の現地説…

 飛鳥京跡苑池で見つかった流水施設の現地説明会には、猛暑の中約1400人が訪れ、考古学ファンの関心の高さを見せつけた。

 苑池は将来の公開が検討されているが、国家的な水祭祀(さいし)を行ったとみられる流水施設のインパクトは強烈で、県としては保存処理して実物を見せたいところだろう。

 飛鳥京跡苑池は斉明天皇の時代に誕生したとみられるが、当時から維持管理は大変だったに違いない。

 令和の時代に生きるわれわれは石の洲浜に清らかな水がさざめく姿をイメージするが、夏になれば藻や微生物で水は緑色になっただろうし、草もどんどん生えただろう。

 現地説明会で調査関係者から「庭園は生き物だから」と聞いて納得した。現代のような浄化装置や除草シートなどあるはずもなく、苑池は四季折々の自然な姿を見せていたのかもしれない。

 飛鳥京跡苑池の公開に向けた具体的な議論はこれからだが、何よりも大切なのは1300年前の姿を保ち続けた遺構をさらに先の時代に伝えること。文化財の活用が保存の延長にあるのは言うまでもない。(増)

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