空前の“売り手市場”と言われる。多くの企業で社員数が不足している。就職氷河期時代と言われた頃から、わずか20年ほどで、労働環境は大きく変化した。

　就職氷河期を乗り越えた世代をロストジェネレーション世代と言う。バブル崩壊後の雇用環境の厳しい時代を生き、高校や大学などを卒業した後に正社員になれず、非正規社員などとして、その後の人生を余儀なくされた人が多かった世代。

　この世代を対象とした支援プログラムが、厚生労働省の集中プログラムとしてスタート。7日には、年齢条件を掲げた採用活動を企業が行うことを認める方針も決めた。

　昨年の総務省統計局の調べによると、約371万人が現在も正規就労できずにフリーターやパートとして働き、この世代の世帯の給与だけが低いというデータもある。

　就職氷河期を共に生き抜いた人間として、ようやく国も重い腰を上げたと評価する。

　今回の施策によって、この世代の転職者が増えるだろう。ただ、この世代の労働者が退職するのは企業にとっては痛手だ。本当の意味での企業価値が試される。(黒)