金曜時評

ともに描く新戦略 - 論説委員 松井 重宏

 春の知事選を経て4期目の荒井県政が本格的に動き出した。その手始めとなる令和元年度一般会計補正予算案は256億1700万円で、荒井正吾知事による6月補正としては過去最大。県議会での審議はこれからだが、過去の実績を土台として「もっと良くなる奈良」を目指すとする知事の姿勢が数字に表れた格好だ。

 同補正は、選挙前に組んだ骨格予算に政策的な事業費を肉付けするもので、補正後の総額も5273億1500万円と、前年度当初比4・1%増に膨らんだ。知事は「京奈和自動車道の整備などが進み出し、工事費が増える時期になってきている」と説明。インフラ整備など「他府県に比べて遅れていた分野を見つけ、追いつく努力を重ねる」と力を込める。

 また今回の補正予算編成で注目されるのは、個々の事業内容における工夫に加え、各施策を「奈良新『都』づくり戦略」の形で示した点。荒井知事が初就任時に掲げた「奈良『新・都』構想」になぞらえ、今後の取り組みを9テーマに分けて整理、予算案を議会に提出した後、同戦略の全体像を「案」として改めて公表した。

 既に予算化された事業も含まれており、その意味では本年度予算や同補正予算案の意義、狙いを説明する側面もあるが、併せて中・長期の展望に立った事業の実現可能性を探る調査研究、これまでの事業成果を生かす今後の活用策検討なども多く盛り込み、県政発展に向けた議論を深めるための「叩き台」にするという。

 内容は県政全般にわたり、経済振興から行財政改革まで9テーマに分けて計28分野、計148の戦略を紹介。奈良市の平城宮跡を軸にした周辺整備と近鉄奈良線の移設、早期の位置確定を目指すリニア中央新幹線の奈良市付近駅と関西国際空港を直結するリニア新幹線構想など大型プロジェクト、また全国のモデルとなる地域医療構想の実現、なら歴史芸術文化村の活用策など、ハード整備を踏まえたソフト面の検討課題も。

 ボリュームがあるが、各項目を実績と現状を示す「これまでは」と、今後の取り組みを示す「もっと良くすために」の欄で構成、比較的見やすい形で県のホームページにも掲載している。

 この間、県が何をしてきたのか、そして、これから何をしようとしているのか。4期目の荒井県政が掲げる「奈良新『都』づくり戦略(案)」が県民、そして県議会、また県職員の理解、共感を得られるか注目される。

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