よく晴れた週末、体をぴったり包むウエアに身を固め、自転車でさっそうと走る姿は街でも郊外でも一つの景色として定着した。ツーリングを楽しむ高齢者も増えている。

　一方で自転車が関係する事故は全国的に横ばい傾向が続き、県内でも平成28年と同29年は700件超、平成30年も679件だった。

　スピードの出やすいロードバイクなど、自転車の性能が上がったことに加え、趣味として自転車を楽しむ人が増えたことも背景にある。

　県は自転車利用者に損害賠償責任保険などの加入を義務付ける県条例を策定、9月議会への上程を目指している。近畿では県を除いて2府3県が制定済みだ。

　自転車の事故でも多額の賠償が生じるケースがあり、被害者を保護するためにも条例制定は必要だろう。

　警察庁のまとめでは、自転車対歩行者の事故(平成29年)で運転者が損害賠償責任保険などに加入していたのは約6割にとどまる。策定された県条例も保険未加入に罰則を設けるものではないが、心穏やかにサイクリングを楽しむためにも、運転者一人一人が加入を心掛けたい。(増)