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国原譜

田原本町で埋蔵文化財センター長を務める…

 田原本町で埋蔵文化財センター長を務める藤田三郎さんが、弥生時代の大集落跡、唐古・鍵遺跡にいざなう新著を出版した。

 楼閣を描いた土器で知られる唐古・鍵遺跡は、同町や奈良県はもちろん、全国を代表する弥生遺跡だ。幾重もの濠(ほり)に囲まれ、ひと抱え以上の柱で建てられた大型建物もあった。

 藤田さんの著書「ヤマト王権誕生の礎となったムラ 唐古・鍵遺跡」(新泉社)を読むと、そこに暮らしていた人々の精神世界に改めて驚かされる。

 藤田さんが「弥生時代の精神史を評価するうえで最重要遺物」と指摘するのがあんパンのような構造の褐鉄鉱(かってっこう)だ。土中の鉄分で固まった砂や小石が殻をつくり、中に最上級のヒスイの勾玉(まがたま)が納められていた。

 褐鉄鉱内に生成される粘土は不老長寿につながる薬とされ、「唐古ムラ」の人々が、中国の神仙思想を取り入れていた可能性があるという。

 唐古・鍵遺跡では昨年、史跡公園がオープンし、弥生時代の風景が再現された。藤田さんの著書にいざなわれ、タイムトラベルを楽しみたい。(増)

 

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