注目記事2024年春 奈良県職員人事異動 発表!

国原譜

この人の話には、「責任」という言葉がよ…

 この人の話には、「責任」という言葉がよく出てくるようだ。施設を管理する業者に応募がなく、今月から一時休館に至った宇陀市の保養センター「美榛苑(みはるえん)」について、高見省次市長は自らの「判断と責任」で指定管理者を決めた。

 指定された業者は、3月の選定委員会で基準に達していないとして落選している。誰もが首をかしげたくなる市長の責任感覚だ。

 この業者は市長がトップセールスで見つけてきたが、弁護士や税理士をメンバーとする選定委員会の評点は100点満点の61点。選定要領の基準点は70点で、判定は失格だった。

 市長は「応募事業者は運営を十分担える力があった」と正当性を主張するが、そういう感覚的な選定を避けるための採点基準ではなかったか。

 基準内で点数を争って落ちたのではなく、選定に値しないと判定された業者を専決処分で指定するのは無理がある。道理が引っ込んで顔を出すのは市民の不信感だろう。

 専決処分の是非は今後、市議会で議論されるが、英断か無謀な独断専行か、選定委員の話も聞いてみたい。(増)

 

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