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国原譜

統一地方選後の5月1日から新元号「令和…

 統一地方選後の5月1日から新元号「令和」となる。原案の出典は「万葉集」という。全20巻の「巻五」に令と和の文字が見える。

 万葉集はもちろん、県立万葉文化館(明日香村飛鳥)や犬養万葉記念館(同村岡)など、県ゆかりの施設もにわかに脚光を浴びることになった。といっても、万葉の世界は奥深い。

 万葉文化学者の上野誠・奈良大学教授のお師匠さんにあたる故桜井満さんに、万葉集全首の現代語訳を付した3冊本の注釈書(旺文社文庫)がある。

 40年以上前に刊行され、今は絶版だ。「あとがき」には「文庫本万葉集の新しい試み」とある。さらに注目されるのは、こうした試みが「すでに中西進氏のもとにもあって」と記していること。

 「中西万葉の刊行を待ち望んだ」桜井さんだったが、中西さんの原文付き訳注書(講談社文庫、4冊別巻1)は桜井万葉の少し後に刊行された。

 あとがきによると、桜井万葉の編集者が中西さんに相談すると「組み方見本を示して御助言下さった」という。中西さんの人柄がうかがえる逸話だ。両氏の功績に感謝し、万葉の世界に親しもう。(北)

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