国原譜
米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移…
米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設を巡る県民投票は、辺野古沿岸部の埋め立て反対が7割を超えた。国と県の対立は激化するのだろう。
県民投票の結果とは別に、気がかりなこともある。一つは投票率。52・48%は高い数字ではなく、沖縄県民の戸惑い・複雑な思いがうかがえる。
「賛成」「反対」のいずれかで問う投票で、県民が分裂してしまうのではないかという恐れのようなものも感じる。沖縄県内であちらからこちらへ、と場所が変わるだけではないのか。
沖縄県外への移設はできないのか。県内の米軍基地をもっと減らせないのか。沖縄に米軍基地がないと、本当にわが国の安全保障は揺らいでしまうのだろうか。
埴谷雄高さんの著書「幻視のなかの政治」に政治の本質や権力、指導者の死滅、敵と味方などについて述べたところがある。今もその先見性を見直されていいと思う。
埴谷さんに「政治の幅はつねに生活の幅より狭い」という名言がある。国家対立の遠い彼方の地平に何を見ればいいのか。それを考えるためにも沖縄の状況を私たちは注視し続けねばならない。(北)
県民投票の結果とは別に、気がかりなこともある。一つは投票率。52・48%は高い数字ではなく、沖縄県民の戸惑い・複雑な思いがうかがえる。
「賛成」「反対」のいずれかで問う投票で、県民が分裂してしまうのではないかという恐れのようなものも感じる。沖縄県内であちらからこちらへ、と場所が変わるだけではないのか。
沖縄県外への移設はできないのか。県内の米軍基地をもっと減らせないのか。沖縄に米軍基地がないと、本当にわが国の安全保障は揺らいでしまうのだろうか。
埴谷雄高さんの著書「幻視のなかの政治」に政治の本質や権力、指導者の死滅、敵と味方などについて述べたところがある。今もその先見性を見直されていいと思う。
埴谷さんに「政治の幅はつねに生活の幅より狭い」という名言がある。国家対立の遠い彼方の地平に何を見ればいいのか。それを考えるためにも沖縄の状況を私たちは注視し続けねばならない。(北)