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国原譜

秋篠宮さまが天皇の代替わりに伴う重要祭…

 秋篠宮さまが天皇の代替わりに伴う重要祭祀(さいし)「大嘗祭(だいじょうさい)」への国費支出に疑問を呈された。宮さまの発言の意味は重い。

 そもそも大嘗祭とは何か。この祭祀はベールに包まれ、内実はよく分からない。地域に残る農耕祭儀などを手掛かりに、学者や研究者も手探り状態のようだ。

 吉本隆明さんの著書「共同幻想論」の1章に「祭儀論」がある。世襲的な大嘗祭は当初の目的は失われて抽象化され、「共同規範としての性格を獲得」していったというものだ。

 論のポイントは、祭儀の時間性と空間性の抽象化と規範力への転化。「古事記」と柳田国男の「遠野物語」を中心に展開される国家本質・起源の考察には刺激される。

 大嘗祭は「宗教色が強い」ということは誰もが認めるところ。政府は大嘗祭に公的性格があり宮廷費からの支出が相当との見解だが、国民の受け止めはどうか。

 秋篠宮さまの発言は象徴天皇制の現在と将来に一石を投じたと見たい。「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」(憲法第1条)とする象徴天皇制について改めて考える契機だ。(北)

 

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