好天に恵まれた23日、今年で30回目を迎えた「たかとり城まつり」に出掛けた。城下町の風情を残す高取町の街並みを時代行列が進み、フリーマーケットに火縄銃の実演と、今年も大変な盛況だった。

　日本三大山城の一つに数えられる高取城は、6月にNHKの番組で「日本最強の城」に選ばれたこともあり、訪れる人が増えているようだ。

　20年ほど前に初めて高取城を訪ねたとき、山中にそびえる石垣に仰天した。天守台周辺に限らず、登山道沿いに門などの石垣が点在する。

　山城の宿命か、台風の大雨などで石垣が大きく崩れることもあり、そのたびに修復が繰り返されてきた。山の自然と共存してきた高取城だが、その環境ゆえに管理に手間と費用がかかる面もある。

　石垣の壮大さはもちろん、高取城の魅力が秘境感にあることは言うまでもない。麓から車で近づくことはできるが、最後は標高約583メートルの天守跡まで歩いて登るしかない。

　現在の雰囲気を壊すことなく、石垣の崩落を防ぐ保存処置や草の除去など、高取城を「最強」のまま後世に伝える手だても考えたい。(増)