2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決まった。昭和45年の前回大阪万博時に小学生で、今なお強い印象を胸に刻む者としては感慨深い。

　当時万博を訪れた子供の口ぐせは「初めて外国人を見た」。大げさな言いようだが、それほどの衝撃度ということだろう。

　世界各国の現況と、未来の暮らしの姿などを示した約半年間の祭典には70数カ国が参加し、延べ6400万人超の人々が来場。「人類の進歩と調和」のテーマ通り、大国間のきな臭さが満ちた時代に平和な空気、未来の可能性を感じさせた。

　55年ぶりの大阪万博の中身が気になる一方、隣県としては安閑とできない。約2兆円とも試算される経済効果にあやかれる貴重な機会だからだ。

　先日のTV番組で、奈良を訪れた外国人が不満なベスト3の中に「ホテル数が少ない」「店の閉店時間が早い」があった。長年の課題だが、今回も改善を先送りするなら商売に向いてないとのそしりは免れない。

　約7年後の大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。これを念頭に行動を起こさねば、時の経過は意外に早い。(智)